「イキガミとドナー 二人のイキガミ 上・下」 (on BLUE comics)山中ヒコ
カバーデザイン:ウチカワデザイン
あらすじ
【春人編】官僚・柴田を愛した一人目の戦神 死が二人を分かつまでーーーー 舞台は未来世界。 防衛省の新人官僚・柴田は国を守る最強戦闘種〝イキガミ〟・ 春人のドナーだと判明した。ドナーはイキガミの唯一の癒し手。 春人を懐柔し、国のために 操ろうとする柴田だったが、 心柔らかな少年の春人は、 すぐに柴田に恋してしまう。 生死をかけたパートナーシップを結ぶ 自分たちの関係に苦悩しながらも ひたむきな想いを傾けてくる春人に、 柴田の心は徐々に溶け始めーー。 ドラマチックSF、待望のスピンオフ!
オススメ度
★★★★
スピンオフです。
防衛省の官僚、柴田さんのお話です。
読む前に表紙を見た時に、【下】は柴田さんとイキガミの滝くんだとわかりましたが、【上】のイケメンは誰…?ってなりましたが…。
柴田さんがそんな過去を抱えて生きていたとは…。イキガミとドナーの関係は、結びつきが強いだけに残酷です…。
ストーリー(ネタばれ少々あり)
10年前、防衛省へ入省した直後、あるイキガミのドナーであることが判明した柴田。
柴田のパートナーはイキガミの春人。まだ高校生で、イキガミの訓練中。年下、イケメン攻め❤️
本編の鬼道のように、国民から愛され、人気のあるイキガミの春人。
しばらくして、春人から告白された柴田は、上司からも釘を刺されていた通り、春人を操るために体を重ね…。
「柴田さん、大好きです」
その言葉に、柴田が返事をすることはなく…。心の底では春人が好きなのに、官僚としての立場を優先してしまう柴田。
しかし、ある戦闘で春人は左目を失い、ドナーである柴田が問答無用で左目を提供…。ドナーはあくまでもドナー。拒否権などありません。柴田は義眼に。
その事件のあと、春人の提案で結婚をすることにした2人。イキガミの配偶者にはイキガミが死亡した際には多額の遺産が入ることになっています。春人は柴田が自分を愛してないと知りつつ、ドナーである柴田を守ることだけを考えていたんですね。せつない…。
そして、ある日の戦闘により、春人は左腕を失い…。そのまま逃げることもできたのに、春人は敵を巻き込んで自ら死を選び…。
すべてはおそらく柴田を守るために…。自分が負傷したら、愛する柴田の体が切り刻まれていくのです。
残された左腕には結婚指輪が嵌められていて…柴田はようやく春人の左手に「私も好きだ」と伝えたのでした…。
それから10年。イキガミの滝は柴田のことが好きですが、突然防衛省を辞めてしまった柴田は滝の前から姿を消して…。
エロ度
★★★
エロはありますが、エロいというよりはなんだかせつなかったですね。
スピンオフ元のほうがエロは好みです。
ちなみに上巻ではイキガミの春人と、上巻の最後から下巻にかけてはイキガミの滝との関係があります。
修正はトーンのところもありますが、ほぼ必要なし。
春人がいい子すぎて、下巻を読み始めてもどうしても春人のことが思い出されてしまい…。やはりドナーとイキガミという立場の柴田と春人のほうがお話としてはインパクトも強いし、関係性がせつなすぎてね…。
滝はイキガミではありますが、柴田がドナーなわけではないのでそこまで深刻にはならないのが下巻のモヤっとした感じに表れているような気がします。
まとめ
春人とのエピソードはつらいですね…。春人がいい子で優しくて、柴田さんのことが一途に大好きなだけにつらい。
柴田を愛してしまった春人は、これ以上柴田の体を傷つけたくなくて自ら…。
春人と柴田はイキガミとドナーなので、関係も深いのです。
自分を守るために命を絶った男を忘れられるかな…。
滝と柴田はイキガミとドナーというわけではないので、どうなんだろう?と思いましたけど。上巻とはまったく違うお話になってます。
「俺でいいじゃん。誰でもいいなら。」
年下にこのセリフ言われる展開、めちゃくちゃ好きだ…❤️もちろん誰でもいいわけじゃないのがまたいい❤️
防衛省を辞めて地方を転々とする柴田を探し出しては会いに行き、柴田に誘われて体を重ねては寝ている間にまた逃げられるという…(笑)滝くん、学ぼうよ…。
それでも、ある事件で柴田は殺されそうになった時、ずっと心の底では死にたかったはずなのに、滝くんに会いたいと思ってしまったあたりは涙…。今度は春人の時みたいに間違わないでほしい。好きな人には好きだと言ってあげてほしいですね。自分のために…。
最後の『送り火』というエピソードは…亡くなった春人がお盆で帰ってきてくれる不思議なお話でした。幽霊でもなんでも、柴田さんが春人に会えてよかったですけど…。
滝くんは複雑ですね。
そして、鬼道と吉野のお話もちょこっとですがあります。はぁ…鬼道がイケメンすぎ、吉野のこと好きすぎでヤバい…❤️
やっぱり鬼道、最強ですね。
このスピンオフもおもしろかったですが…やはり元ネタの鬼道と吉野のほうが好きかなー。
柴田さんと滝くんのイチャイチャがもっとあればまだよかったのですが…。イチャイチャなしで、さらに『送り火』のエピソードを読むと…どうしても春人の存在が自分の中から消せなくてつらかったです…。
スピンオフが発売されると知った時から柴田さんと滝くんのイチャイチャが読めるかなと期待していた分、ちょっとお話がヘビーすぎました…。
特典情報
〈コミコミスタジオ8P小冊子〉
滝の質問に答える柴田…。エロはなし。
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